島…君をレンタルしたいカナ

ピロロン♬と短いメールの受信音が響いて、ビクッと肩を上げながらも確認。

昨夜登録した人の名前かな。

やっぱり!島店長さんからだ!


『店の営業時間は午後六時まで。もしかして、今日も寄った?』


「うんっ、寄りましたとも!」


文字に向かって話すなんてバカだ。
私の声に驚いた人が、チラッとこっちを振り向いてる。


(バカバカ。声が大き過ぎるんだってば)


振り返った人に背中を向けて文字を打つ。
『寄りました』と送ればこんな返事が戻ってきた。


『明日は少し遅くまで開けておくよ。また寄ってね』


なんて優しい人なんだ。
神様?そうじゃなければ天使?


でも…


『明日は残念ながら仕事が休みなんです。明後日は早く終わるので、早目の時間に寄らせてもらいます』


実際は明日も彼に会いに行きたいくらい。
だけど、休みの日くらい、リスの面倒も見ないとダメだから。


『待ってるね』


いや〜ん、待ってるって〜〜!!


待ってて下さい…なんて打つのは変か。
だったら、何て打とうかな。


「…あ、そうだ」


『今朝のシマリスちゃんでーす』


人参スティックを齧ってる写メを添付する。
彼からの返信には『元気そうだね』と笑顔の顔文字付きで戻る。


これって、一見したら彼氏と彼女の会話みたい。