島…君をレンタルしたいカナ

「……それで、店長と仲良くなりたいからシマリスをレンタルした…と」


「うんっ!」


張りきって答える私に深い溜息を吐き、パート仲間の奈緒は呆れる。

どうしようもないな〜と言いたそうな顔を見て、「でも、いい事もあったよ」と高い声で喋った。


「お母さんも賢太も喜んじゃって。二人とも普段クールなのに、今朝は三人でシマリスを観賞したの」


「リスっていつから観賞動物になったのよ」


冷めた目線で尋ねる奈緒に、まぁまぁ…と指先を上下に振る。


「うちでは初ペットなんだからいいじゃん。たった一週間だけど、家族全員の心のオアシスになってくれたんだよ」


「オアシスね〜。どう見てもカナの下心しか見えないんだけど?」


「そこんトコは二人は知らないからいいの。とにかく三人で一つのものを見ることが出来て良かったんだから」


「ふーん」


まだ今一つ納得できない感じの奈緒には、父が死んだことを話してる。
楽天的な私の様子からは想像し難い事実だったらしく、「カナは案外と苦労人なんだね〜」と言われたことがある。


「それで、今日も行くの?そのペットショップに」


「うんっ!勿論!」


その為にシマリスの写メもバシバシ撮ったし。


「カナ、やっぱり目がハート型だよ?!」


「いいの!だってホントにステキな店長さんなんだから」