島…君をレンタルしたいカナ

「他の女子も別人だよ。写真じっくり見て見たら?」


牛の授業を写したものらしく、全員が青い揃いのつなぎを着てる。
昨日会った人達もいるようだけど、全員が別人過ぎて判別がつかない。


「それがスッピンの姿。昨日のアレは化けてるだけ」


私の手からスマホを取り返し、ニコニコしながら「分かった?」と聞く。


「俺は偽物の美しさには興味ないんだ。それよりも自分に本気でぶつかってくる相手の方が好き」


ほら…と見せられた液晶画面には、何時ぞやの動物園デートで撮ったと思われる写真が映し出されてる。
ウサギにエサをやりながら笑ってる私の顔。
満面の笑みで「可愛い♡」とはしゃいでた時のだ。


「カナは出会った時から本心だけを見せてると思う。泣き顔も笑った顔も、どれもが全部俺の好みで、特に半分泣きそうになりながらお父さんの亡くなった日のことを話したろ。あの時の切なそうな横顔が、忘れられない……」



「島さん…」


スマホをポケットに直し、お肉を食べ始める姿を眺める。
もぐっと噛み砕いてる彼を、私だけのものに出来たらいいのにーー。



「……今夜さ」


食べ終えた彼がフォークとナイフを皿の縁に寄せて置いた。
マナーが出来てるな…と妙に感心して見てた。


「カナを帰さなかったらお母さん驚くかな」


ドキン…と胸が大きく震えて彼を見た。


「どういう意味か分かるよね?」