島…君をレンタルしたいカナ

うじうじと思い悩んでるうちに書店に着いてしまった。

この支店には、私をフッたマコト君がいる……。


書店名を正面から見据え、気持ちを張り詰めたまま中へと入った。
開店して間もない店内では、品出しと棚整理が行われている。



「いらっしゃいませー」


「おはようございまーす」


元気よく挨拶するようにと言われてた。
自分も別の支店で勤めてた時は、挨拶の声だけは大きくするようにしていた。


直接にレジに向かうと茶髪のボブスタイルの子が立っていて、「あの…」と声をかける私に小首を傾げ、「はい?」と笑顔を見せてくる。


綺麗な顔立ちで羨ましいな…と思いながら用件を話した。


「トーア印刷所の者ですけど、注文のあった写真集を持って来ました」


こちらです…と袋に入ってる本を差し出した。
受け取った女子では不明らしく、少しお待ち下さい…と言われた。


内線電話をかけた相手に私が今言った言葉を伝えてる。
切ると直ぐにこっちへ振り向き、担当者が来ますのでと説明する。


(貴女じゃ分からないってどういうことよー)


新人でもあるまいし…と言いたくなる言葉を飲み込み、一刻も早くこの店から出ていきたいと思った。
担当者よ早く来い!と考えながら、店内に目線を泳がせてた。




「……カエデ!」


ビクッとする声に振り向き、お互いの顔を見て絶句。