島…君をレンタルしたいカナ

気抜け〜〜。
バカみたいに妄想ばっかしてたよ。


「カナちゃんと初めて会ったあの日に預かった。慣れない場所に連れて来られたのもあったけど、ヨーコ自身がかなりナーバスになってて、鳴き声も煩いからカンナが外に出してしまって…」


カンナさんが表に出した部分だけは正解だったワケか。でも、ナーバスになるくらい劣悪な状態で飼われてたってことだよね。


「今はもう飼い主さんのとこに戻ったの?」


「ああ、身の危険が無くなったから」


「元気なの?」


「大丈夫。さっきも言ったけど元気だよ」


それ以上は詳しく教えられないんだと言われた。
顧客情報だからプライバシーの侵害にも繋がる…とか何とかで。


「あの日はヨーコもカナちゃんも泣いてたね」


「どうでもいいことまだ覚えてるんですか?」


「忘れられなかったんだよ。ずっと胸の奥で泣き顔が引っ掛かってて」


「島さんってお人好し」


「それはカナちゃんも同じ」


「私?」


お人好しなことした?


「元カレと別れた時、コップ一杯の水を浴びせただけなんだろ。もっと殴って蹴って噛み付いてやれば良かったのに」


お店の中じゃ出来ないじゃん。


「それじゃ狂犬みたい」


「だから狂犬になってやれば良かったんだよ。バカにするなって気持ちを込めて。そしたら早く忘れてあの本屋も辞めようと思えたのに」