週末、私は車に揺られていた。

そして、私の隣には亮ちゃんが座っている。

その理由は数週間前に遡る。


あんなことがあってから数日。

私はやっと落ち着きを取り戻し、何事もなかったように思えるまでに日常を取り戻していた。

あのことは、あの日に亮ちゃんの口からお母さんに話してもらった。

これまでの人助けは褒められることが多かったけど、今回ばかりは怒られた。そしてとても心配された。

次の日は学校を休み、その翌日、学校へ行き紗綾に休んだ理由を話すと、これまたとても心配された。

そして学校から帰り、お母さんから

「佳代たちとキャンプに行くことにしたから〜」

とウキウキ顔で言われた。

「え、キャンプ?!
夏でもないのに?
てゆーか亮ちゃん家と一緒に行くの?」

「今ぐらいの時期の方が、逆に良かったりするでしょ!
佳代とどっか行きたいねって話していたのよ。
今回は亮くんと美咲の再開記念にみんなで行くことにしたの!」

うーん。ああ、そうなのね。

「で、いつ行くの?」

「GW開けた後の週末!」

え、それこそ何で。

GWに行った方がいいじゃん。

「GW中はもう予約がいっぱいでダメだったのよねー」

あーなるほど。

でも結構いるんだな5月にキャンプに行く人って。