ガッ! 鈍い音が聞こえたと同時に両手の拘束が解けた。 目をそっと開けると…… そこには汗だくの1人の男子がいた。 「美咲っ……!!」 「りょ…ちゃん……?」 ……亮ちゃんだ。 亮ちゃんの立つ逆の方を見ると、さっきまで私を拘束してた男が痛がりながら横たわっていた。 「行くぞ!」 亮ちゃんは私の腕を掴み、私を立たせた。 そして、私の手を引き走り出す。 そして商店街の表へ出た。 その後も私達は無言で家まで歩いた。 ……手を繋いだまま。