教室に戻ると紗綾は席に座っていてお昼を食べていた。


私も席に座ると

「やぁヒーローおかえり。
かっこよかったよ」

なんていつもの紗綾節全開だ。

「別にそんなんじゃないよ。
結局私何もしてないし」


てゆーか絡まれた1件よりもその後のことの方が引っかかってる。

なんか最近モヤモヤしてばっか。


そんな私の様子に気づいてか。

「なに?

連れてかれて、なにかされたわけ?」

と、心配してくれた。……たぶん。


1人でモヤモヤしてても仕方がないと思い、思い切って紗綾に亮ちゃんに言われたことを言ってみることにした。


幸い、今あいつは隣にいない。


「いつもあーやって色んなことに首突っ込んでるのか。
突っ込む時は呼んでって言われた」


いつもの暗い調子とは違う、あいつに驚いたらしい。


「へぇ美咲とふたりの時はそんな調子なわけ?
ずいぶん私たちの前とは違うんだね」


なんかちょくちょくあいつ、調子変わるから困るんだよね。

別にドキドキなんてしてないけど!