「なに美咲、あんた嬉しくないの? あんなに会いたい会いたいって言ってたのに」 いや、会いたかったよ。 すごくすごく会いたかった。 だから、帰ってきてくれて…… 「…嬉しいよ」 ……ただね、帰ってきた“亮ちゃん”は可愛くて、目がキラキラしてて、私が初恋を捧げたあの“亮ちゃん”じゃないの。 私がうかない顔をしてるとお母さんは、この話題に関して今はあまり触れてほしくはないという私の心を察したのか。 「まぁ夕飯にしよっか」 と私にほら座ってと催促し酒井家の夕食は始まった。