「さっき下で、美咲のお母さんに目が覚めったって聞いて急いで……」
紗綾が言っている途中で、その目に涙がたまっていくのが見えた。
「……無事でよかった」
そこには普段、見たことがない弱弱しい女の子の姿があった。
「美咲、危ない目に合わせてごめんね」
普段は人をからかって楽しそうに細める目から、今は痛々しそうに歪み、涙がこぼれる。
「大丈夫だよ。
それに紗綾が悪いんじゃないよ。
ケガ無い?」
そう聞くと、強く首を縦にふる。
「そう、よかった!」
笑いあっていると再び扉が開いた。
「ただいま。
プリンみんなの分買ってきたから、皆で食べよう!」
「やった!」
それから皆でプリンを食べながら、私が滑り落ちた後のことを話してもらった。


