「あー! やっぱり! 
なんか見覚えあると思ってたんだよ~。こっちに戻ってきてたんだ」


「うん。そういえば3年で同じクラスだった気がする……。
ごめん、あんまり覚えてなや。うっすらとしか」


「まぁ、小学校の時のことだし、それに、あんまり話したことなかったから、記憶薄くてもしょうがないよな。

俺も確信無くて、今まで話しかけられなかったし」


俺はこんな格好しているから確信を持てなかったのは分かるが、それでもそこまで話したこともない元クラスメイトの顔よく分かったな。


「酒井さんと転校初日からめっちゃ仲良さげだったし、そういえば昔、酒井さんとすごい仲良かった男子いたなってなんとなく思い出してさ。

まさか本人とは思わなかったけど」


それだけでなぜ、小学校の頃の記憶を思い出せるのだろう?

まさか美咲が好きとかではないだろうな。

「桐島君、美咲ちゃんのこと好きなの?」

若干、低い声になってしまったのはしょうがない。

「え、好きじゃないよ?」

さらっとした返答に一安心したところで、「今はね」と後付けされ一気に緊張感が増した。