ふぅ……なんか話題を変えよう。

えーっと。

んー特に思いつかない……

うーん……


「……その格好、続けることにしたんだね」

なんとか絞り出したものがこれだった。

話題を変えてこれか!

なんでこの話題してしまったんだ、私は……!

自ら墓穴を掘ってしまった。

……これは絶対に雲行きがあやしい。

そろりと亮ちゃんの方を見ると、いたずらっ子みたいな顔をしていた。

あ、絶対くる。

「うん、まあね。
“お願い”されたからさ」


亮ちゃんが“お願い”の部分を強調して言った。

はあ、やっぱりこの方向になった!

私はなんでこの話題をふってしまったんだろう……。

どんな反応をすればいいのか分からないんだけど……。

「へ、へぇ、そっか」

なんて、目線をきょろきょろさせ、知らないふりをする。

まぁそれ、私じゃないし?

私そんなこと言ってないし?

そんな私のたどたどしい態度を見て、亮ちゃんが今度は楽しそうにそうに笑った。

そんな亮ちゃんの楽しそうな顔を見て、自分の恥ずかしさなんて忘れて、少し嬉しく思ってしまった。

そんなふうになってしまう私はやっぱりなんだかおかしい。


「朝ごはん食べるよー!」


というお母さんの声が聞こえて、私たちはそれぞれ洗面台の使用目的をはたし、その場を後にした。


それから、朝食を食べたあと、それぞれ思い思いの時間を過ごし、私達はキャンプ場を後にした。