僕の声


と、まあこんな感じで俺らは
セフレになってしまった

最初は遊び半分だった

でも、その日から空は2日に1回
俺の家に通うようになった

それを俺が受け入れてしまった

俺達はそのまま高校生になった
だから、今更好きだなんて言えない
この関係のままでも
そばにいれたらそれでいいと思った

それからして、彼氏など無縁だった
空に彼氏が出来た
細身で背が高く勉強も出来る人だった
俺は嫉妬した、そして怖くなった

家に通うことがなくなる
そう思ったから

『涼汰ー』

『おーどした?』

俺の一番の親友 木村大我
こいつだけが俺の気持ちを知ってる

『さっきトイレ行ったら
空ちゃんの彼氏が居てさ』

『んーそれが?』

そんな話聞きたくもない

『いやーそれがよ
空ちゃんの事めちゃくちゃ
愚痴ってたぞー』

『は?』

あんなにいい子のどこが悪い
俺は腹立たしくなってきた

『空は性欲がないとか下手くそとか』

それを聞いた俺は少し喜んだ
俺は知ってるから
空はド変態だ
あいつは根っからのドMで
下手くそなんかでもない

俺にしか見せてないんだと
1人でテンションが上がった

彼氏が出来てからというもの
1ヵ月以上、空と話してない
家に来ることもなくなっていた

久しぶりに空に会いたい
その一心で空の教室へと向かった