『白愛……』



かつての恋人、黒崎白愛が玄関を開けた先に立っていた




なんで?お前はてっきり俺に愛想尽かして自然消滅したと思ってた




連絡は来てたけど、まともに見たことないし



つかいつからいんだよ




9月といえどまだ蒸し暑さが残っている


熱中症で倒れたらどーすんだよ




俺が一人オロオロしていると白愛が口を開いた




「おはよう、珱。やっと学校行く気になったのね?
まぁ今日行くだろうとは思ってたけど
お弁当、ちゃんと作って来たから。朝ご飯は食べた?食べてないなら……『なんで』」



「え?」



『なんで当たり前のように話しかけてくるんだよ、ここに来るんだよ。俺は紅蓮の裏切り者で、お前は姫で一緒に位ちゃ行けないだろ、普通は。』




こんな事されたら、諦めきれない。




お前のこと誰にも渡したくなくなる

お前のこと手放すことが出来なくなる



「珱、私は誰の?私は、なんで紅蓮にいたの?珱が紅蓮はいったから私は姫になったのよ?
なんでそれを分かってくらないの!」




白愛は俺の目をしっかり見て言ってきた



強い意志を持った瞳が俺を射抜く




俺はその瞳にまた、堕ちたーーー




気づけば白愛を抱きしめていた