『ま、とりあえず礼は受け取ってくれ』


それだけ言って白愛の方へ向かう


そろそろ限界なんだよねあ・の・きょ・り!


「あ、珱」

俺に気づいた白愛が抱きついてきた



汗かいてんのに気にしないのか?



まぁ、すぐ黒須から離れてくれたのは嬉しいけどさ



『黒須と何話してたんだ?』



頭を撫でながら何気なく聞いてみた



ほかの男と話してるだけで嫉妬してたなんて何かかっこ悪いし




「フフッ珱が気にする事は何も無いわよ。
私が上手いからどうしてか気になったんだって。
後は珱の事を聞かれたの。」



……白愛にはお見通しだったようだ



つか俺のことって?



『どんな事』



「何で地味な格好してたのかって事よ」



そんな事気になるか?



ましてや同性の事なんか



黒須の方を見ると目が合い、ひらひらと手を振ってきた



……チャラいな



『白愛は何て答えたんだ?』



「そのまま。私が珱が恰好いいのを隠したかったからって」



『本当にそのままだな』



黒須は何て思ったんだろうな?



「でね、黒須君の反応が"愛されてるんだね珱君は"ですって」




いつから名前で呼び合う仲になったんだろうな



まぁいいんだけど



『そっか。なぁ白愛、今日楽しかったか?』