「そうですね。この写真はここに送られてきたものですから」



珱の質問に嫌々ながらも、答える涼



もう仲間とは見なしていないようだ


「珱君…….」

汚いものを見るような目でこちらをみて来るのは河井伊月


可愛い顔して心は真っ黒だ


なんでこんな奴らに舐められなきゃいけない


『お前らは、顔も名前も知らない奴が撮ったものを信じるってのか』



悔しいのか、口を噛み下をむいた珱


一年近く一緒にいたのに全く信じてもらえない悔しさと哀しさが渦巻いているようだ




その中に、一閃の憎しみが混ざっているのに気づかないまま




「これは合成も何もしていないなかった。
だから、これを信じることにしたんだ」



総長の赤坂蓮(あかさか れん)がそう言った




それは珱を裏切り者と見なしたということだった





それを聞いた珱は俯いていた顔をあげ、一瞬目を見開いたかと思うとハハッと渇いた笑いを漏らした



『そうか、…ククッ 面白れぇ
認めよう、俺はお前らを裏切った。
これで良いだろう?俺は帰る
……だかこれだけは覚えておけお前らは仲間を信じなったクズ共だ。
俺は、お前らに復讐してやる。その時を楽しみに待っておけよぉ?クッハハハッ 』



笑いながら去っていく珱を誰も追いかけなかった

いや、追いかけられなかったと言った方が良いだろうか



珱の瞳が黒かったからだ


まるで何処までも見えない闇のように