ふんっ、と拗ねているお父さんを横目に、綺麗な瞳の一号くんを見つめて名前考える。


「…リヒト。リヒトはどうかな。」


キラキラと光を反射するクリスタルのように綺麗な瞳を見ていた思いついた名前。


「リヒトはドイツ語で光って意味なんだけど…」

「リヒト…」

「気に入ってくれた、かな?」


私の考えた名前を呟いて、俯いてしまった一号くん。
気にいらなかったのかな…


「あ、別に嫌だったら他のも考えるし…」

「…気に入ったよ。…リヒト…僕の名前はリヒト…
名前を考えてくれてありがとう雛乃。」


ふふっと口角が上がっただけだけれど、一瞬笑ったリヒトを改めて綺麗だと思った。
って、あれ、なんで名前…

私が考える前にリヒトが答えを出してくれた。


「名前は元々データとして入ってるんだ。
博士がプログラムしてくれた。雛乃の誕生日から成長記録、なんでも僕の中にデータとして入ってる。」


お父さん…さり気なく『博士』って呼ばれるようにプログラミングしてるし。
余計なものまでデータとして入れなくても…!

キッとお父さんを睨むと気まずそうに目を逸らされる。
…そんなんだからお母さんに逃げられるんだよ、と心の中で悪態をついた。