そうか…なるほど。
この世界は、どうやらゲームらしい。それが分かったのは、中学二年の秋だった。

夢に現れた、申し訳無さそうな自分。勿論私は主人公などでは無いが、モブとして平和な人生を送るらしい。

ごめんね。
本当にごめんね。

それは、あくまでもhappyエンドの自分の事。此処はbadエンドであり、救いの無い人生。他の全部の〈私〉の誰もが拒んだ場所だそうだ。

別に良いよ。

元々私は淡白なのだ。
ふむ?何々?中学三年の夏に、車から轢かれそうな主人公を助けて死ぬって?
はい、分かった分かった。頑張ります。

何度も謝るhappyエンドの私に軽く頷き、目が覚めた。

この時までは、本当に良かったのだ。
彼と出会うまでは…。