Fisの音が君に伝わるまでの時間





「えー、新入生の皆さんご入学おめでとうございます。本日は…」



毎回恒例の校長の挨拶は相変わらず長い。


真面目に話を聞いている生徒は見たことないぞ。



そんな堅苦しい挨拶は形だけでいいんじゃん。





「ふわぁ…」


長時間座って話を聞いていると眠たくなってくるわけで。



「大きい欠伸だね」

「え、見てた?」

「うん」


どうやら女子力の欠片もない大きな欠伸を隣に座っている子に見られていた。



しかもかなり可愛い。



なんだ、あたしの周りには美形が沢山居る。

嫌味か?





「あたし、花園ゆめ」

「夏川凛。よろしく!」

「よろしく!」




あたしたちはハゲ散らかした校長を横目に、式が終わるまで小声で話した。