そして、野球部の部活終わり、カイと一平は部室を出ようとしていた。


「マジ今日も疲れた、早く合宿所に戻ろうぜ一平っ」


「おぅ……んっ?おい、カイっ」


「何だよ?」


一平の視線の先を見ると、


「……水内?」


「本道、ちょっといいかな?」


「何だよ?」


すると一平がカイの肩を叩く。


「俺先に戻ってる」


「おぅ…」


一平が合宿所の方へ歩いて行くのを見ると、カイは水内を見る。


「で、何だよ?待ち伏せなんかしやがって、男にされても嬉しくないぞっ」


「ふっ…そうか、咲原さんだったら嬉しかったのかな?」


「…なわけねーだろっ」


笑顔で言う水内に、カイは素っ気なく返す。


「僕こないだ咲原さんに一つお願いしたんだよね?」


「…何を?」


「次の試合、桜川が負けたら…僕とデートして欲しいってねっ」