「でも、あんたに“すごい”って言うのとは別よっ」


私はカイに、いつものように言ってしまう。


するとカイも笑顔から、眉間にしわを寄せながら口を開いた。


「おまえなぁ…ちゃんと見てたのかよっ?寝てたんじゃねーの?」


「うっさいわね?ずっと、ちゃんと見てたわよっ!」


……あっ……


思わずそんな事を言ってしまい、私はハッとする。


私の言葉に少し驚いてる様子のカイに私は、自分の発言に恥ずかしくなった。


だって“ちゃんと見てた”って、まるで“カイをずっと見てた”って思われそう…。


途端に私はその場を離れようとする。


「じゃあ、おめでとっ」


カイにぶっきらぼうにそう言って、幹野くんと話してる絵美を私は強制的に連れて帰ろうとする。


「ちょっと~!宇美~!私まだ幹野くんと~っ」


そんな絵美に悪いと思いつつ、私は帰る事にした。