「でも俺も聞いたからアイツは話しただけだし、咲原も聞いてみたらいーよ?」


「……うーん」


「自分からはなかなか話さないよ?アイツ自分のこと…」


「……だよね?」


「おう、じゃ」


ーー


その日の帰り道。


カイと二人で歩く帰り道。


カイは隣で楽しそうに話している中、私は上の空だった。


と、カイの声が耳に入ってくる。


「なっ?そう思うだろ?」


「……えっ!?」


「…何だよ、聞いてなかったのかよ?」


「あっ…ゴメン、もう一回言って?」


「んだよ、もういーよ」


そう言ってカイは、頭をかきながら先を歩いて行った。


ダメだ…私…。