「…カイ」


私が言いかけようとすると、カイが頭をかきながら口にする。


「おまえ、アイツにまた会っても相手すんなよっ?」


「は…?野々村くん?そんなに会わないでしょ…」


「いや、アイツはやっぱり読めん…とにかくいいなっ?」


「なっ…!?」


私の目の前で、カイは眉間にシワを寄せながらそんな事を言ってきた。


何よっ、こないだはおまえなんかアイツのタイプじゃねーよって言ってたくせにっ。


何だかんだ気にしてるの…?コイツ。


カイから視線をずらして私が考えていると、カイが呆れた顔をしながら言ってきた。


「…っていうかおまえ、俺には見せないって言ってたわりには、大勢の前で堂々と泣くのかよっ?」