「ほら、乗れよっ?」


「えっ!?」


おんぶ!?


むっ…無理だよ!
そんなの、恥ずかしすぎるっ!


「いいよ!もう少ししたら立てるからっ…」


「バカヤロ―俺が早く休みたいんだよっ」


「あっ…分かりました…すみませんね」


カイにそう言われ、私は素直に従うことにした。


何やってんだろ私、迷惑かけすぎ…。


そして私は、ドキドキしながらもカイの背中に乗った。


「ごめん…重いよね?」


「いや、おまえにしちゃ軽いんじゃね?」


「何よそれ!どっちなの―?」


するとカイは突然笑いだした。


「ぷはっ!」


「なっ…何よっ?」


「おまえ、珍しく今日はよく謝るよな?」


「えっ?まぁ…明日登板のエースを疲れさせちゃったから…ね」


「へぇ~自覚はあるんだな?ははっ」


カイはまだ笑っていた。


さっきまでの真剣な顔もいいけど、やっぱりカイの笑顔は格別かもしれない。


カイの背中は、そんなに広くはないけど、ちゃんとがっしりしていて…


何となく、この背中にすごさを感じる。