そして、球場では試合が進んでいた。 投げたボールがヒットになった所で、 「タイム!」 そう言って、一平がマウンドへ駆け寄る。 「カイ大丈夫か?」 「あぁ…」 「打線も二回り目で当たってきてるけど、勝負だっ」 一平は、バシッとグラブでカイの腰に活を入れる。 「勝負…か……」 「きっと来るぜ?咲原」 「……っ」 一平の言葉に、カイは足元の土を蹴って少しだけ笑った。 「あぁっ」 そして次のバッターを三振に打ち取ると、その回対戦高に点を与えずに済んだ。