「あと、来てくれるなら僕がプレゼントしたあの髪止めつけてきてくれると嬉しいな?」 「髪止め…」 「君が試合の日、髪止めをつけてここに来てくれたら……分かるよね?」 「えっ…と」 それはつまり、水内くんの気持ちに答えるって事になるよね…。 私が戸惑ったような顔でうつむいていると、 「じゃぁ、帰ろうか?」 「あっ…うん」 そして私達は駅に向かって歩き出した。 ざわついた気持ちを抱えながら私は帰る。 けど… 彼に言わなきゃいけない事、 アイツに言わなきゃいけない事… 私は分かってるはずだ。