ある日、カイがロードワークから帰って来ると、前にいた誰かに気づく。


「はぁっ―…はぁっ―……ん?」


「やぁ、お疲れ」


「水内…」


前にいたのは帰り際の水内だった、カイは少し眉間にしわを寄せながら足を止める。


「足はもういいみたいだね?」


「あぁ、まぁ…」


平然としながら笑顔で話す水内に、カイは少しイラッとしながら口にした。


「おまえ、アイツに何かしたんじゃねーだろうなっ?」


「ふっ…何かって?」


「…別にっ」


「う~ん、君の思ってるような事は何もないよ?今のところはね、彼女を悲しませたくないからねっ」


「あっ…そ」


キザなヤツ…。