暁の色に染まるとき。




「あー?」





あたしがお空のじいちゃんに念を送っていると、そんな蒼羽の気の抜けた声が耳に入った。





「なによ。ピシッとしてよね、まったく」





これから2人で協力して生きていかなきゃいけないんだから。


それどころか、住む場所すらないっていうのに。


はぁ、と深いため息が思わずこぼれる。





「いや、そうじゃなくて。俺、見つけたかも」




「は……??見つけたって、何を……」




「玄関」





………………。……………玄関???




「ちょっと待って、意味がわかんないんだけど」




「だーかーらー、この木の入り口だよ」




よいしょと起きて木の根本あたりを指差している蒼羽。


あたしは小走りでそこへとかけよる。