「あー?」
あたしがお空のじいちゃんに念を送っていると、そんな蒼羽の気の抜けた声が耳に入った。
「なによ。ピシッとしてよね、まったく」
これから2人で協力して生きていかなきゃいけないんだから。
それどころか、住む場所すらないっていうのに。
はぁ、と深いため息が思わずこぼれる。
「いや、そうじゃなくて。俺、見つけたかも」
「は……??見つけたって、何を……」
「玄関」
………………。……………玄関???
「ちょっと待って、意味がわかんないんだけど」
「だーかーらー、この木の入り口だよ」
よいしょと起きて木の根本あたりを指差している蒼羽。
あたしは小走りでそこへとかけよる。



