暁の色に染まるとき。



「………は?………嘘だろ、おい。姉ちゃん、これが何だか分かってる?」




「……分かってるに決まってんじゃん」





だから困惑してんでしょーよ。

あたしだって地図が指し示す場所がこんなとこなんて信じたくないよ。





「ただのでっかい木じゃねーか!!」




「蒼羽、ご神木って言いなさい」




「そこは問題じゃねーよ!これのどこに人が住めるっていうんだよ!」




「あたしだってわかんないんだってば!」




はぁ………。

まだ始まってもいないこれからの生活が不安だよ、本当に。




「っとに、どーなんだよ俺たちは」




蒼羽はそう吐き捨てるように言った後、諦めたのか木の根本を枕にゴロンと横になってしまった。



拝啓、死んだじいちゃんへ。

道しるべなら道しるべらしく、ありがたくわかりやすくお願いします………。