はぁ、とため息がこぼれる。
じいちゃん………、いくらなんでもこれはどうかと思うよ。
情報量は少ないわ、かなり投げやりだわ……。
達者でって言われても、ね。
外すべからず、かー。
自分の首からぶら下がっている紅色の石が埋め込まれているネックレスをまじまじと見る。
これ、ね。
昔から外すな、ずっとつけとけ、って耳がタコになるくらい聞かされてきたけど………。
なんの意味があるんだろ。
わざわざ遺言にも残すほどのことってことなのかな。
「よし、ごちそうさま。姉ちゃん、そろそろ行こう」
同じく蒼色のネックレスを揺らしながら蒼羽が立ち上がる。
お腹いっぱいになって満足したのかな、と思いながらあたしも腰を上げる。
「うん、そーだね」
あたしが美紅羽、だから紅色。
で、蒼羽だから蒼色。
で、死んだ両親からの贈り物だからそんなふうに言うのかなって思ってたけど。
じいちゃんは一体何を思ってたのかな。
そんなことを考えながら、地図に目を落とした。



