実はあたしには6つ離れた弟がいる。
もともとじいちゃんが生きていた頃からなぜか孤立していたあたし達。
この半年間は葬儀やら新しい長老決めやらでバタバタしていたが、頼みの綱なしではもうどうにもならず………。
ついに家からも追い出されてしまった。
「っと!それよりも蒼羽‹アオバ›走ってー!!!」
後ろの鬼に気付いた蒼羽がゲッという顔をしたあとものすごく怖い目で睨み上げてきた。
「何やらかしてくれてんだ、このバカ姉貴」
「い、今はとにかく走れー!!!」
あたしのこの行動は、村を出る最後に何か仕返しをしてやりたかったから。
大人しくやられてばかりなんて悔しいもん。
仕返しにもなるし、稼ぎのないあたし達にとって食料はかなり大切なものだし。
まさに一石二鳥!
全力で走っていると、いつの間にか後ろには何も見えなくなっていた。
「ハァ……、つ、疲れた…………」
さすがに体力も限界だ。