後ろを振り向くと、村の人たちが鬼の形相で追いかけてきている。
「おー、こわこわ。別にあたしだって普通に売ってくれたら盗らないんだけどね」
どれだけお金があったって、あたし達に何かを売ってくれたことなんて1度もない。
それでもあたしがこの15年間生きてこれたのは、あたし達の育ての親である祖父がこの村の長老だったから。
両親が8年前に亡くなってからというもの、じいちゃんに守られながらなんとか生きてきた。
でも半年前、ついにじいちゃんも永遠の眠りについた。
あ、あたし達って言うのは……………、
「姉ちゃん、遅い」
「おぉ、迎えに来てくれたのかい?我が弟よー!」
「ここで待ってろって姉ちゃんに言われたんだけど」
「いやぁー、そうだったかなぁー」