「ナイスキー」
なんでだろ。
強さは、結愛と同じくらいだった。
勢いも少し劣るかもしれないけど大差ない。
色んなメンバーが口々に掛け声をかけてくれる。
ナイスキー、ナイスキーって。
後ろにいる、風華の声が
極端に変なのだ。
結愛と希子が打ったら、
凄いぶりっ子みたいに高い声で
褒め称えるくせに、
私の時だけ音量も音程も変えるなんて
みえみえでなんか、気分悪い。
そういうの、嫌なんだけど。
心内で呟き、心の中に押し込む。
言える相手じゃない。
彼女の方が、訳あって
いわゆる、スクールカーストの中で
上の位置にいる。
面倒なことにはなりたくない。
それもこれも、
自分のせいだけど、しょうがないんだ。
目を合わさないあたり、わざとなのは確か。
その後も、何本かスパイクを打ったけど、
あんまり、楽しくなかった。
すぐに交代の時間になって
張り上げた声がまた響いた。
「フォーメーション!」
「はいっ」
恒例の、一番好きじゃない練習が来た。
レギュラーと、ベンチを
分ける線が、引かれるから。
私のプライドが、嫌がるんだ。

