そのコートの向こうで、君が待ってる。





変わっていく彼女は、綺麗だった。
隣のコートで見る彼女に追い付かれるのが嫌だった。






あなたがここに来たら、
私はここにいられない。








近い将来、私はここを出るかもしれない。








そんな気持ちでいつも練習していた。
目の前の結愛の姿を求め続けた。






自分もそうなりたかった。
そして、結愛がいなくなると分かった今、
彼女の姿を継ぎたかった。










でも、結愛がその姿を渡すのは
きっと、私じゃない。 
いくら回りがそう言ってくれたって
分かってる。


 



あのベンチで悔しそうに顔を歪める
ポニーテールが揺れるのをずっと、ずっと見てる。











本当の意味で彼女がずっと見ていたのは
私じゃなかった。









どうしたら、私は選ばれたのかな。
強くなる力を秘めた子になれたのだろうか。







本番に弱い私と
本番に強い彼女なら。







いつかはみんな、彼女を入れたくなる。








時間の、問題。
風華に場所を取られることはない。
でも、彼女は違う。
それでも、それでいても私は一番になりたかったのに。



  



ああ、また彼女が強くなっていく。
それを、私は黙ってみてる。