そのコートの向こうで、君が待ってる。





第2試合は、相手側のエースアタックが決まり、
苦しい展開。





サーブは乱れて、折角の得点が生かせない状態に。




見かねて監督がタイムアウトを取った。





「次のサーブ、誰だ」




「私です」





手をあげたのは希子だった。
希子は、少しサーブが安定しない。
それを思ってか、監督は表情を曇らせた。





「悪いが、その時だけ夏希と交代、その後はリベロの万鈴に交代でいく」






「はい」




リベロの万鈴と目線だけ交わして
私は、コートに入る準備をした。
大丈夫、さっきの練習ではいいサーブが多かった。





希子と手を合わせて、私はコートに入った。






入ることが限られる、この場所に
私は後何回入れるのかな。






そう思うと、力がみなぎってくる。
成功、させてやる。






見据えた向こうのコートに
自分で思い浮かべた強烈なサーブが決まる。
よし、いける。





笛の音に合わせて慎重にボールをあげた。






なかなか、いいところ。
今だ。





思ったのと同時にボールを押し出す。





無回転のボールは2人の間に揺れて落ちた。







笑顔の面々とハイタッチをしていく。
振り向いた結愛の表情も綻んでいた。





その手と合わせたときに、
変な気持ちに襲われた。





なんとも言えない、不快感。
結果として5本サービスエースなり弾かれるなりして
6本目を相手が繋いでスパイクを決められて
終わった。






そのあと試合は五分五分の結果で終わった。




25ー23。惜敗。
出来れば取りたかったセットだった。