いつもの練習風景。
そう、いつもの。
エースの結愛が、スパイクを決めた。
どちらの回転がかかってるのか
分からないくらいに、ボールは宙でうずまいて
3人のカットを凄い速さでかわして
あっという間に地面についた。
「ナイスキー……」
カットの3人が顔を上げて呟く。
その顔に表れているのは、澄んだ驚嘆。
皆がみんな、彼女のボールはお手上げ。
称賛する周りにいた、メンバー。
結愛はいつもと変わらない、あの純粋な笑みを浮かべる。
「今、良かったよね! 今日は調子良いかも」
結愛の言葉に皆が頷く。
全ての言葉に、嫌みは1%もない。
だから、そこが。
そう、その嫌みがないところが。
私は、嫌い。