私と君は幼なじみ




「ククッ...あぁ、ここです。僕の家。」

ずっと笑っている優馬に不貞腐れていたら
優馬は家に着いたようで、ずっと下に向いていた視線を上に向ける


「ええーー!?嘘でしょ!?」

「どうしました?頭がおかしくなったとかでしょうか」
真剣にそんなことを考えている優馬は置いといて

「私の家の隣だよ!?」
と呟く


「そうなんですか?ああ、だから引越しのトラックが来てたんですね。納得です」

優馬は簡単に納得しているけど私は頭が追いつかない


「ゆ、優馬、これじゃあ土地が変わっただけで何も変わらないよね。
家も隣で、席も前後...」

「お別れの意味ないですね。でも僕は嬉しいですよ」

「う、嬉しいけどさ、頭がついていかない」


「取り敢えず、寒いですし二人共家に入りましょうよ」


「うん」と言って家のドアを開ける。



すぐにリビングへ行くとそこには私の母と優馬の母がお茶をしている。


「あら、おかえりなさい」
「夏希ちゃんじゃない!お邪魔してるわ」
ニコニコとこちらを見てくる


「あの、状況が全くわからないよ」

「......私も最初はびっくりしたわよ。ゴミを出しに行こうとしたら恵(優馬の母)がいたもの」


「それで話し込んでたら、寒くなって...お邪魔させてもらってるわ!」


「そういえば、優馬君に会った?」

「うん、一緒に帰ってきたよ」
この状況を詳しく考えるのをやめて返事をする。


___ピンポーン


「あら、夏希...出てきてくれる?」

「はーい」


母に頼まれて玄関へ急ぐ。


ドアを開けるとそこには優馬がいて

「うちの母が来てませんか?」
と言ってきた。


「うん、来てるよ...どうぞ、入って」

「お邪魔します」
優馬は靴をキッチリと揃えて私に着いてくる



「ここがリビング」と呟いてドアを開ける



「あら、優馬!おかえり〜」

「母さん...家にいないからどこかと思いましたよ」

「ふふっ、ごめんね?今日は春(夏希の母)でご飯いただくことになったわ」