「春は花見をしよう。夏は海でバーベキュー、秋は紅葉を見に行く。冬はスキーをしよう。他にもさ、映画、買い物、遊園地、動物園‥‥なんだっていいからさ。」

それはいつしか描いていた理想。友達が自慢してきた全て。そして、いつからか諦めていた夢。

「一緒にしよう。やりたかったこと全部、二人でするんだよ。」

きっと楽しいよ、そう呟いた。
知らない人と暮らすなんて、ありえないと思ってた。私のために母が結婚するなんて、絶対に違うと思った。不自由になるのも嫌だと思った。

「俺は、君の兄貴になりたい。」

こんなの、絶対におかしい。そうわかっているはずなのに。

「うざいくらいのシスコンになるかも。
でも、きっと楽しいよ。二人なら。」

そう言う彼が、驚くほど眩しく見えるのは何故だろう。