それは暖かな日差しのふりそそぐ、ある春の日の朝だった。

「ん〜〜‥‥。」

窓を開けて大きく伸びをする。新しい空気が鼻を抜けて体の中へと入ってくる。この時までは、とても気持ちの良い朝だった。

白いパイプベッドにピンクの布団。レースと薄いピンクのカーテンに、白いモコモコのラグ。

「‥おはよう。」

部屋の片隅に置かれた、自分よりも大きなクマのぬいぐるみに挨拶をする。

一軒家の二階、ベランダ付きの私の部屋には、母が買い揃えてくれた女の子らしい家具や雑貨で溢れていた。

ケータイで時間を確認すると、午前10時を過ぎていた。今日は日曜日なので学校は休みだった。二度寝をしようかと考えたが、やることが沢山あるので悩む。といっても、家事や勉強なのだけれども。