嫌よ嫌よも好きのうち?


「もーすぐ17時だな。瞬きすんなよ」

「逆に目乾いて見えなくなっちゃうじゃん」

お互いに携帯片手にその瞬間を待った
あと5分、あと4分
徐々に近づくに連れて
オレンジ色の景色は更に濃くなっていった
そしてついに

「わあ〜めっちゃ綺麗…」

「だろ?この瞬間だけは
マジで何もかもどーでもよくなる」

夕日を見ながらもちらっと横目で間宮を見てみると
ちょっと微笑んでるあいつの顔が
どこか幼くて、物思いにふけていて
つい見とれてしまった

「お前見すぎ。なに俺に見とれてんだよ」

「みっ、見とれてないし…」

やばい、なんかちょっと恥ずかしい
見とれてたなんて絶対こいつに言えない