ピピピ…ピピピ……
携帯のアラームの音がなり、私は目を覚ます。
外を見るとまだ少し暗い。

「流石に早すぎたかな」
目をこすりながら誰もいない部屋で独り言を呟く。
今日から高校生なんだし朝から頑張ろう。そう考えて用意をするために部屋を出る。

顔を洗い、歯を磨きながら少し寝ぼけている頭を働かせる。
(今日からお父さんは出張、凜奈と蓮が今日から新しい保育園だから余裕を持って家を出ないとね。私は入学式で早く帰れるから洗濯回しておいて……)


母親がいなくて、仕事で忙しい父親の代わりに家事をするのは春休みで慣れた。
小さい頃からお母さんは体が弱くてよく入院したし、家のことを手伝うのは当たり前になっていた。

時間を確認しつつ、トースターでパンを焼き、ハムエッグを作る。
(これが終わったら凜奈達起こして洗濯回して……)
考え事をしているとインターフォンの音が鳴った。