あの失恋から3ヶ月がたった頃、私は、まだ、歩のことを一途に思っていた。夏休みに入って、することもなく、部活は美術部だから、することもそんなにない。翼くんとのLINEが続いているくらいだった。
そんなある日、花菜ちゃんに、「プールに行こう!」というLINEがいきなり来たのだった。
まぁ、どうせすることもないから、花菜ちゃんとだったら、楽しいだろうし、さっそく水着を買うことにした。花菜ちゃんからは、「思いきってビキニにしなよ!」って言われたので、かといって自分のお腹に自信がなかったのでパレオがついているビキニを選んだ。
1週間後、花菜ちゃんや翼くん、花菜ちゃんの好きな人、守山司くんを連れて、プールに行った。自分で鏡の前で水着を着てみた。こんな水着を着たのは初めてだったけれど、また、前を向けた気がした。
これをきっかけに自分の体型を気にせず、ちゃんと、好きな服を好きなときに着れるようになった。みんなにとっては当たり前なのかもしれないけれど、私にとっては、これが踏み出した足の2歩目だった。