昨日、あんなに話したのに全くもって学校では話しかけてこない。翼くんの謎は深まるばかりだった。
「六花~!今日、告白の日だね♪」
「あ、そうだった…」
今日、ずっと好きだった男子、後藤歩に告白すると、決めていたのだ。
歩は、隣の教室。花菜が呼び出して、深呼吸をした。

「好きです。」
「あ、、、、えっと、ごめん。俺、野球が一番なんだ。だから、六花のことは、好きになれない。」
「わかった。でも、諦めないからね。」
「うん、、」
教室に戻った。花菜ちゃんに結果を伝えて、私は、いつも通りに次の授業の準備をした。理科室に向かう途中、隣のクラスの同じ部活の女の子達から陰口を言われてるのが聞こえた。「あの子、フラれたんでしょ?惨めだよね」「フラれて当然の見た目してるじゃん。」他にも、色々…
でも、傷付くことはなかった。だって、告白できなかった後悔は全く残っていなかったから。むしろ、勇気があった自分を誉めたい気分だった。この告白をきっかけに私は、少し、前を向けた気がした。