Situation~掲示板…~

底には大きい犬が1匹と、生まれたての子犬が8匹も居た。




「こんなにいるの?」




僕は驚いて声を上げたが、ドアを開けた瞬間母犬は

警戒するように、立ち上がり、こっちを向いて、吼えてきた。




「こらっ、サレンダー、お客様よ。シッダウン。」




手馴れた様子で、坂田は犬に近寄り頭を触り落ち着かせてくれた。




「さすがぁ~。」




照れた様子で、こっちを見たが、直ぐに子犬の1匹を抱きかかえて

僕に渡してくれた。




「最初だから、多分メスの方がいいと思うので、この子とかどうですか?」




「へぇ~なんでメスの方がいいの?」




「えぇ~それはまぁ~なんというか。」




言葉に詰まったので、いいにくそうだったので、




「あっ、別にいいから。どの犬も可愛いけど、なんか坂田に似ているから

これにしようかな。」




「えっ、本当ですか?先輩。」




恥ずかしそうに下を向いた坂田だったが、僕はそんな恥ずかしがる様な

事を言っているのかも気付かなかった。




「あっ、でも一応予約でいい、なんとか母親を説得させるし、

大丈夫だと思うからさっ。」




「はい、いつでもどうぞ。」




その日はそれだけで、坂田の家を出た。




帰りには色々考えた。家柄もいいとやっぱり、こういういい子が

育つものかと、感心もした。家が違いすぎるし、なんか後輩というのが

高校生にしたら、少し抵抗があるなぁ~とも思った。




決して悪い子ではない。




人気があるのは自覚しているだろうけど、それをひけらかす事もしてない。




自分も鈍感な類なのかもしれないが。




自分が踏み出した1歩が少し大きな1歩になるのだろうかと

少しの期待もしたが、これからはまだ分からないので、

好きなのかどうかもしっかりと自分で確かめながら

これから接して行きたいと。。







~FIN~