「何か言ったら。」
方向転換をさせられた私は、ネイビーのラインが入った凪原の運動シューズを見つめるのが精一杯
『…おめでと。』
絞り出したのはたった四文字
もっと普通にすればいいものを、彼を少し憎んだ気持ちを見抜かれてしまうのが決まり悪くて目を合わせられなかった
そして単純な褒め言葉でも、私が言うと皮肉をこめた風になってしまう気がして言い終えてからすぐに後悔を覚え始めた
「あー、うん。ありがと。」
そして意外にも凪原は、私の心配とは裏腹にその言葉を素直に受け取ってくれたらしい…
と思ったと同時に
「…って言っても有明、試合ちゃんと見てなかっただろ。その上、性悪呼びとか」
急に図星をつかれたものだから頑なに下に向けていた視線を、ネイビーのラインシューズから上に移す
