「あ、私達お邪魔みたいだから!退散退散ー」
朝陽がこのタイミングで変な気を利かせて私と奴を2人取り残す
朝陽の一言に妙なニヤつきを浮かべながらもみんな大人しく私達から離れていった
心の中で朝陽に対して盛大に悪態をつくことでその場をやり過ごそうと必死だった
「いいかげんこっち向けば。」
私の背中に向けての少し呆れ加減な声
だってまさかいるとは思わないから
私の言葉に怒っているだろうか
声だけでは読み取れない
そんな私に痺れを切らしたのか、グリーンのネットの荒い網目から綺麗な手がすっと伸びてきて後ろから私の手首をクイッと引っ張った
遠くからでも分かる朝陽やサッカー部連中の意味ありげなにやついた視線
それだけでなく、体育館にいるみんなの意識がこちらに向いている気がしてならない
