6月に入り、梅雨が訪れた

毎日空はうじうじして泣いてばかりいる


相変わらず男子の方を熱心に見る菜々の髪のカールがとれかけていて、いつもと違ってストンとまっすぐになっている

湿気は最大の敵だと菜々が不満げに言っていたけど、今日ばかりはそんな雨に感謝しているらしい

体育館の少し開いた扉から灰色の雲とびちゃび
ちゃの水たまりだらけの校庭が見える


男子は今の時期、本当なら校庭でサッカーのはずだが雨の日が続き、毎年大抵体育館でのバスケで潰れてしまうのだと中川が嘆いていた


中川を見れることを喜んでいる菜々とサッカーができなくて落ち込んでいる中川があまりにも対照的でなんだかおかしかった