こっちを見ようともせず立ち上がってドアに向かう有明は小さな声で言った 『…不器用な人。』 確かに自分は不器用だ でも有明には言われたくない気がした カーストのトップに君臨していながら、罪悪感にさいなまれ、自分の感情を抑え込んでいる有明こそ不器用な奴だと思った それを有明に分からせてやりたい このまま自分だけかき乱されて終わりなんて、そんなの認めない