「このくらいやらないとつまらないでしょ。
前の奴は可燃ごみにしたけど思ったより汚れなくて面白くなかったからね」
悪魔の笑みを浮かべて美帆が言う
この子達はこれが悪いことだとか、それに罪悪感を覚えるなんて次元は超えてるんだろう
「傑作すぎるよー美帆ったら! 咲希もなんか言ってやってよ」
なんの悪気もなく菜々が私に笑いかける
とても人をいじめてる子の顔には見えない
多分、これに男子だけでなく先生も騙されてしまうんだろう
今までいじめがばれたことがないのは菜々のおかげだと思う
『…私、汚いの嫌いだから片付けはしておいて、河口さん』
菜々に目をつけられたのが運のつきだ
彼女は残酷だから
私達4人や他の男子にはすごく優しくておっちょこちょいな可愛い女の子だが、自分に必要のない存在にはどこまでも残酷になれる
どちらも本当の彼女の姿だろうけど、残酷な彼女が私は恐い
「あははっ もう咲希ったら相変わらず綺麗好きだよねっ! もうすぐチャイム鳴って先生くるからさ、その前に片付けておいてねっ …河口さん?」
