「じゃ、決まりー!挨拶代わりにこれあげる」
菜々はそう言って美帆に軽く目配せした
こういうときのこの2人の意思疎通は恐ろしいほど素早い
美帆は静かに笑ってるけど、彼女がかなり興奮してるのが分かる
教室の後ろの掃除用具入れの横にあるものを持ってきて、河口さんの頭に思いっきりぶちまける
「あちゃぁ、美帆ってば、ジュースのゴミ箱選んだの? ベタベタじゃん」
ジュースやコーヒーなどみんなが飲み残したものがパッケージの中からストローを伝って漏れ出す
それをかぶってベタベタの河口さんとその足元に広がるカラフルなパッケージ
朝陽は冗談めかして美帆につっこむ
